こんばんは、手すりの赤いダニです。FF3関連書籍の話です。
当記事は、紹介した書籍の中身一部画像を「引用」として掲載しております。権利所有者様からの警告等があった場合には迅速に対処いたしますので、お手数ですがご連絡いただければ幸いです。
悠久の風伝説 『ファイナルファンタジーⅢ』より 全3巻
1巻:1991年10月21日発行(マル勝ファミコン1990年第9号~1991年第1号掲載分)
2巻:1992年4月25日発行(マル勝ファミコン1991年第2号~第14号掲載分)
3巻:1992年9月10日発行(マル勝スーパーファミコン1991年第15号~1992年第9号掲載分)
ゲーム雑誌に掲載されていた、FF3のコミカライズ。原作はFF2とFF3のシナリオと、FF2小説夢魔の迷宮を執筆された寺田憲史さん。作画は、圧倒的な画力に定評のある衣谷遊さん(エンジェルアームだいすきです)。
先に言っておきますが、絵が好きなので本作はおすすめです。
マンガは、アメコミと同じように左開き&左上から右下に向かうコマ割になっています。
ゲームでの主人公にあたる4人は、本作ではそれぞれ名前を与えられたオリジナルキャラとなっています。
ムウチ:原作ゲームの戦士風ヘアスタイル。元気で明るい15歳。
ダグ:4人の中では最年少。小柄なムードメーカー14歳。
J・ボウイ:エキゾチックでミステリアスな17歳。スケベ系。
メルフィ:紅一点のお嬢様。強気で勇ましい16歳。
リメイクFF3に先駆けて、光の戦士4人のうち1人を女の子*1にしているところがいいですね!むしろメルフィの活躍や覚醒に大きく紙面を割いているので、実質主人公では…?というくらいの扱い。
序盤は大地震、世界やクリスタルの異変、ウルの悪ガキ3人組がキャラバンから食料やパンツを強奪する狼藉(悪ガキレベルではない犯罪行為)といったゲームを意識した流れです。
その後は風の神殿(原作では祭壇の洞窟)ランドタートル戦でのメルフィとの邂逅、クリスタルの啓示、変な口調のジン、そして呪い、囚われのサラ姫、お調子者のシドじいさんなど、オリジナル要素と原作ゲーム要素をうまく絡み合わせながら物語は進みます。
生きてる森、鳥使い(!?)のデッシュ、小説版FF2にも出てきた生き物・マウザー、シヴァやイフリートを召喚する召喚魔術師ハインなど次々に登場しますが、ムウチたちが今まで居たところは浮遊大陸だ、というゲーム中でも衝撃的だった事実が判明するのが何と3巻。
これで察してもらえたと思いますが、「序盤は丁寧に描写、後半は駆け足」といったゲームコミカライズにありがちな運命を、この「悠久の風伝説」も辿ります。おそらく想定していた尺ではなかったんでしょう、主人公ら4人の中で、ダグのみ見せ場がほぼありません。かわいそう(ちなみにほかの3人、メルフィは白魔術、ボウイは黒魔術、ムウチは召喚術を習得します)。
急展開ではあるものの、原作ゲームでは仲間になったアルス王子、ウネ、ドーガはきっちり登場します。しかしなんとエリアは未登場。残念!衣谷先生のエリア…超絶美少女…見てみたかった…。でも登場しなかったおかげでエリアが死ななくて済んだと思えばそれはそれでいいですね!あっモーグリも出ません。チョコボは居るよ。
↑右ページ中段コマがチョコボ。同画像のシド(左ページ)やサラ(右ページ下)もそうですが、天野デザイン準拠でいい感じです。ここには載せてませんが、イフリートやシヴァも天野デザインに忠実でかっこいい、しかしシヴァが男性体になってて少しびっくりしました。
ダニが好きなキャラは、主人公4人と後半デッシュ。画像中段、素手でアーリマンをぶん殴る肉体派!さわやか&3枚目。
あとね!アルス王子!!!原作より年齢高め&美少年!!!上の画像はダニお気に入りのコマ。落ちそうになったメルフィを秒で助けるアルス王子の、麗しさとミステリアスさが存分に表現されています。
原作ゲームもあれはあれでかわいそうだったけれども、こちらでもかわいそうな運命であるアルス王子。儚い美しさが紙面からあふれていますね。
あと、ドーガもきりっとしていてかっこいいし、ウネに至ってはワイルド系美女に若返るので大変見ごたえがあります(原作通りのかわいいおばーちゃん姿も一瞬出てくるし、得した気分)。衣谷先生の美麗な絵でFF3キャラを見られるだけでダニはうれしいよ!目つぶしされて泣いちゃってるアーリマンもかわいかったです!
その他好きなシーンは、ムウチが古代人の剣を手に入れてイフリートと戦うところです。バチバチっとなっているのでもしかしてマヒ効果入ってる!?こだいのつるぎじゃん!!!ゲームのゲーム的な要素をほぼ取り入れてないので、たまにこういう描写があると嬉しくなっちゃう!
あとは、恐怖におびえたムウチの顔を見てテンション爆上がりしちゃうメルフィとか…生々しくていいですね…。
また、このマンガ版でのラスボスはザンデになります。暗闇の雲?誰かな!?※ただしザンデさん、エクスデスのように無無無言ってます。もう少しムウチたちが苦戦していれば、暗闇の雲も登場したのかもね。
ザンデの動機や光と闇の均衡がばっさりオミットされていますが、こちらは少年少女の冒険&成長譚で、それはそれでいい作品でした。
紙のコミックスは中古品しかありませんが、全巻数円~数百円くらいの廉価で手に入ります(2022年12月現在)。ただし本のサイズがB5変形判、縦の長さはA5と同じで横が長い、本棚から飛び出るデカさなので注意。
電子書籍おすすめです。権利者に正当な利益が入るだろうし。
紙版と表紙が違うのはなぜなんだろう。1・2巻は口絵をコラージュしたもの、3巻は紙版の1・2・3巻表紙と口絵を寄せたものです。
紙版の裏表紙は、電子版には収録されてないな…みんなかわいくて好きです。
それ以外は、紙版1巻に収録されていたマル勝スーパーファミコンと月刊コミックコンプの広告がカットされているくらいで、ほぼ電子版と同じです。横向きで非常に見づらいデブチョコボマンガも無事収録されてるし。
原作ファンとしては後半の流れは少し物足りなさもあるけれど、迫力があるバトル、緻密で魅力的な絵柄、何よりもきちんと終結しているところがとてもよいのでおすすめです!!!個人的にこの頃の衣谷遊先生の絵が特に大好き~。女の子かわいいし、アルス王子や若ウネが美しいのでぜひ見てみてください。
*1:マンガ版では「光の戦士」という名称は出てこない